馬の耳と首の動きに注目してみる
馬の耳はいろいろな動きをします。その動きから馬の発する感情を読み取ることが出来ます。
◎ 耳を前に向けている
パドックを周回するときに、耳が前方に向いているのは平常心が保たれている証拠です。立ち止まった状態で耳の向いた方向を見つめている場合は、そちらに何か関心を引くものがある状態を示しています。
△ 耳をしぼる
耳をピタリと後方に倒す仕草で、敵意や警戒心の表れを示しています。さらに、歯をガチガチと噛み鳴らすと威嚇を表現しています。ただし、レース中は少し意味合いが異なる。余裕を持って走っているときは耳を立てているが、苦しくなったり最後の直線で必死に追われたりすると耳をしぼる。時計を出していなかったり、調教内容が軽すぎる場合は、好走の反動が出ている疑いがある。
✕ 耳をクルクル動かす
あたりの様子が気になり、気が散っている状態を示しています。若駒が初めての競馬場で不安を感じている警戒しているときなどにこのような仕草を見せる。耳をクルクル動かしているときは、レースに向かう心構えができていない。
次に、馬の首の動きから読み取れる感情には、どのようなものがあるのだろうか。
◎ 首を前に伸ばしている
首を水平よりさらに低くしてのびやかに前へ差しのばし、ゆったりとした歩調で歩いている様子。リラックスした状態にあることを示しています。歩様が力強く、グイグイと前へ進む感じで静かな闘争心が感じられれば、状態は良い。
〇 ツル首になっている
馬がアゴをグッと引いていて、首をツルのように丸く曲げ込んだ状態。闘争心に満ち溢れており、気合いが乗っている。ただし、パドックに出てきたからツル首では気負いすぎが懸念される。またイレ込んで小走りになり、厩務員に手綱を引かれたときもツル首の状態になるので、馬の歩調や厩務員の手元に注目して見分ける必要がある。
〇/△ 前に伸ばした首を左右に振っている
前方に伸ばした首をゆっくりと左右に振るのはリラックスした状態。イレ込んで首を左右に激しく振るときは歩様に力強さがなかったり、小走りになったり、発汗をしていることが多い。
〇 歩調に合わせて首を前後に振る
首を上げてはいるもののツル首にはならず、自然に首を振りながらテンポよく歩いているのは好調時の仕草。自然な気合の表れ。
〇/△ 首を激しく上下させる
周回するうちに徐々に、あるいは騎手が騎乗してこういう状態になった場合は、気合いが乗っている状態。ただし、パドックを周回する間ずっとこの状態だと、レースまでに疲れてしまう危険性がある。
みなさんも競馬場に足を運んで、直接パドックなどで馬を見るときは、耳や首に注目してみるのもおもしろいかもしれません。